珍しく遅い今年の初観劇は、宝塚じゃなくって外部ミュージカルになりました。

といってもOG目当てで行ったんですけどね。
お目当ては、元宙組の歌姫・和音美桜ちゃんです。
歌のうまさはピカイチながら、どうも宝塚の舞台では小地味になってしまっていた彼女。
でも外部に出れば、きっと活躍できるんじゃないかと期待していました。
とはいえ、DSとかに行くほどファンではないので、とりあえずこのミュージカル出演を楽しみにしていました。

見てビックリ。出演者がみんな歌上手い!!
お話は古典ミステリだけあって、だいぶ前半にネタが割れるけど、ま、ミュージカルだからいいか~(笑)。
曲はさすがのアンドリュー・ロイドウェバーで、素晴らしかったです。

ではメインキャスト毎の一言感想です(()内は初演キャスト)。

マリアン・ハルカム:笹本玲奈 (初演同じ)
わたしの中ではかなり少女のイメージだった玲奈ちゃんもすっかり大人の女に(ってだいぶ前からですけどね)。
ミュージカルの主役としては、珍しいタイプの役ですよね。恋愛はするけど、成就しないし。タイトルロールは?っと言ったら、アン・キャスリックになっちゃうし(笑)。
ま、元がミステリだから仕方ないんだけど、それだけにこの役をこなすのは相当難しいんだろうなぁと思いました。それを軽々やっているので、すごい!

ウォルター・ハートライト:田代万里生 (別所哲也)
初演時、フジテレビで放映された稽古風景のドキュメントだけ、見ているんですが、そこでしきりに別所さんが「若い役なのに、本当に自分でいいんだろうか?」みたいいなことを言っていたのが記憶にあります。
・・・た、確かにこれは若い役だわ(笑)。
というわけで、まるきり別所さんだと想像つかないんですが。
万里生くんの若さがよく出たいい役だったと思います。

ローラ・フェアリー:大和田美帆 (神田沙也加)
初演時の神田沙也加嬢も見たかったんだ。で、今回大和田美帆ちゃんと聞いて、何か、芸能人二世枠か?とか思ってしまったのですが。
美帆ちゃんというと、わたしは数年前に見た彼女のデビュー作・イケコの「純粋な愛(英訳のこと)」とかいうトンデモ・ミュージカルの記憶が忘れられなくてさ~。でも、無事今回で上書き消去されました。(イケコのダメさ加減じゃなくて、美帆ちゃんの実力が)

パーシヴァル・グライド卿:パク・トンハ (石川禅)
まぁまぁ、ルドルフ皇太子とフランツ皇帝陛下が、そろってこんな変態暴力夫を熱演するなんて(涙)。
特にパクさんは体格が良いので、怒って暴れるところは恐ろしいです・・・。

アン・キャスリック:和音美桜 (山本カナコ)
そういえば、初演時はもともと劇団☆新感線の山本カナコさん目当てで行こうとしたんだっけか。
見てないけどカナコさんと沙也加嬢は、どう考えても似ているとは思えないのですが(笑)。
たっちんと美帆ちゃんは、まぁまぁ「舞台だからね」で許容できる範囲でした。
やはり高音が素晴らしいたっちん。
一幕最後の女性三重唱が本当にすごかったなぁ。

フレデリック・フェアリー:光枝明彦 (同じ)
独特の雰囲気の老人をやらせると光枝さんの右に出る人はなかなかいないですよね。

フォスコ伯爵:岡幸二郎 (上條恒彦)
いや~、すごいヒゲでしたね。一瞬誰だか分らなかった(声で分かった)。
2幕でさっぱりしたら、いきなり岡さんワンマンショーに!!
相変わらず、すごいオーラの持ち主ですなぁ~。


友人に誘われて、かしげさんのコンサートに行ってきました。

在団中特にファンというわけではなかったのですが、なぜかご縁があって、退団後初舞台の『愛、時を超えて~関ヶ原異聞~』も観ている私。
そういや、あの舞台は、異種格闘技で大変なコトになっていたなぁ(遠い目)。

今回は、コンサート形式、ということでしたが、1幕は男装の麗人・川島芳子が、上海?のダンスホールで歌手のふりをして、国民党の追手をかわす・・・という
芝居仕立てでした。
うーん、自分が昔、日中近現代史専攻してたりするので、一般的な感覚がよくわからんのですが、「川島芳子」ってパッと見て設定わかるものなんだろうか?(しかも名前は、最初は出てこなかったような)
「愛しき人よ」のるいちゃんを連想してもらえれば、ラッキーな方でないかい?
(しかし、あの芝居もトンデモだったからなぁ)
そんなわけで、かしちゃんの軍服姿は拝めたのですが、どうも1幕の客席の反応は微妙でした。

2幕は普通にコンサート。こっちは盛り上がりましたね。
振付指導があり、客席も踊らされました(笑)。
客席降りもあり、通路の一番後ろまでかしちゃん、全力疾走!!サービスいいわぁ~。

この後、中二日か三日で、次のお仕事だとか。
年末まで、予定がぎっしりなようで、OGの方が頑張っていらっしゃるのは、嬉しいですね。

そうそう、バックコーラスというかダンサーに元・雪組の牧瀬海さんがいらっしゃうました。こういうお仕事もいいですね~。
いやぁ、行こうかどうしようか、ずっと迷っていて、ギリギリまでチケを取っていなかったんですよ。
それが、直前発表された曲目に「キューティーハニー」を見つけたとたん・・・某え+にログインしていた私。

結果としましては、ええ、行って良かったです。
決断に悔いなし(そんな大げさな)。

そんなわけで、直前購入だったので、席はもちろん3階。
スクリーンがあるので、3階席でも見やすいですとのふれこみだったのですが、結果的には、ほとんど舞台を見てましたね。
客席登場のワタルくんくらいかなぁ、重宝したのは。
要するに、トップさよなら公演の中継みたいなモノだから、目の前にナマがありゃ、そっち見るってもんです。
舞台の出演者は、東宝のB席なんかよりは全然近かったです。(あ、3階でも前の方だったので、そう思ったのかも。後だとやっぱりB席並みかな)
ただ、舞台奥のスクリーン映像はイマイチ見えなかった部分もありますが、まぁしょうがない。

最初にダイジェストで「愛と青春の宝塚」をばーっとやるのですが、ここでの傑作はなんといってもWリュータン。
イヤ、現役時代、リカワタに萌えたものとしては、これだけでチケ代のモト取れました。
だって、海軍軍服姿で、ハグですよ~~~っ!!
リカワタで、ワタリカ、リバーシブルなんですよ~~~~。
あ、久々に腐発言してしまった・・・。

その後のワタルくんの影山先生のナンバーもすごかったですが。
やっぱりアナタは男役ですよ。

後は、皆さん現役時代のお気に入りナンバーピックアップ(衣装は当時のものを宝塚から借りてきた)に、女優時代のナンバーを数曲ずつ。
間のMCもすみれコードぶっちぎりで素晴らしく(笑)。
楽しい3時間でした。

正直最初に企画を聞いた時は「はぁ???」だったんで、ここまでクオリティが高いものになるとは、本当にお見それしました。
フジTVの本気っぷりに感動。
これからもミュージカルから手をひかないで、OGを活躍させてくださいね。


またまた、遅くなってしまい、すみません。

えー、噂には聞いていましたが、すごい演出でしたね。
冒頭のリチャード三世の独白で、舞台にいくつか設置された液晶TV(『SHIROH』の時と似た感じ)に、字幕キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
イヤ、ありがたいんですが、これ役者は間違えがバレるから、プレッシャーなんじゃ?
だからかどうか、古田さん、字幕より早口だし!

その後も、顔写真は出るわ、家系図は出るわ、「死ね死ね死ね」とか、あげくの果てには「LIVE」って入って実況生中継しちゃうわ、フル活用。

おかげさまで、とにかく、分かりやすかったです。
ここまで「リチャード三世」を理解して、観たことはなかったです。
あ、ちなみに蜷川演出で見たのが最初で、2回目ですが。
戯曲は、高校生くらいの時に初読、大人になってからも読んだことありますが。
キャスト全員の人間関係をカッチリ把握できたのは、初めてかと。

日本人には、ここまでやってもらわんと、わからんのよ。

それにしても、リッチモンド伯に「Change,Yes I can!」のキャッチフレーズをつけたのは、スバラシイセンスでした。大拍手。
最初に空耳アワーを(笑)。

「シンカイジマ」⇒「新開島」(なんだそりゃ?)と変換していたら、「深海島」だった・・・。そりゃそうか?
「シロキワニチカヅクナ」⇒宝の地図に書いてある詩の一節。てっきり「『白き鰐』に近づくな」、だと思い、白き鰐=白鯨=モビィディック、ってところまで連想していたら、「白き輪に近づくな」デシタ・・・。

以上、パンフレットを読んで判明。
そう、魔窟(自分の部屋のことw)の混迷度を増すばかりだから、なるべくパンフの購入はやめようと思っているのに、今回買ってしまったのには訳がある・・・。
開演前に、アンサンブルの方々が、客席にパンフを売りに回ってくるんですよ。
衣装で!
それも、小芝居ありで!
これはいいアイディアだと思ったなぁ。(思うツボな人)
宝塚も無料チラシやめて、パンフ買わせようと思うなら、研1に売らせなさいよ。(ヲイ)

ストーリーは面白かったです。
が、「今」がどの時点の回想なのか、ちょっとわかりにくかったかな。
オチは、まぁ半分くらいは予想ついてましたが、そこそこ驚かされました。

キャストは知らない方が多かったので、とりあえず良く知っている方のみ感想を・・・。

ウィリアム・キット=萩野崇
イヤ、正直に言いましょう。アナタを観に行きましたよ、ハイ。
久しぶりにナマを見ました。えーっと「黒革の手帖」(舞台)以来?
あんまりフラフラしてなかったですね。てか、一か所に静止してなくて良い役だったとも言いますが(爆)。
演技も格段に上手くなったよねぇ(当社比)。
しかし、アレですね。格の高い衣装をめちゃめちゃに着こなすことに関しては、他の追随を許しませんね。「シンデレラ」の王子様の素晴らしかったこと、今でも忘れません。
今回の貴族に化けたときの衣装もスゴイ!!あれじゃ、一発でバレますよ。日向薫先輩、ご指導していただけなかったのでしょうか(爆)。
そういや、まさかネッシーさんにほのかにLOVEな役だとは思いませんでした。なんて恐れ多い・・・gkbr

シャーロット・ドゥ・ベリー=日向薫
これまたお久しぶりにお目にかかりました。
何年経ってもやっぱりトップスター様、こんなに間近で拝見してしまってよろしいのでしょうか?気分になります。
酒場の女主人役で、一曲お歌いになられ、ハギーに言い寄られかけ・・・ひたすら客席でビビっておりました。
「30代後半をもう何年もやっているんだぞ」には笑ったけど・・・ホントに実年齢には見えません。お若い~~~。

東宝エリザ

2008年12月23日 OG出演
久しぶりに観てきました。
電飾になった年までは観てたんだけど、そのあとは観てないんだよね。
いつのまにか映像は、あのモロにドットがわかる電飾じゃなくなったんですね。
・・・イケコ、さすがに電飾に飽きたのか?

もともと予定にはなくて、ひょんなことから回ってきたチケットを「これもご縁だ」とありがたく頂いて行ってきたので、配役も直前に目を通したんですが。

意外に良かった、涼風シシィ!!
そうか、シシィってこういう人だったのかも。
すごくかわいくて、うっかりだまされそうになるんだけど、本人全然わかってなくて、またすぐついていけない世界に飛んでいってしまうんだよね~。
振り回されたフランツはお気の毒というしかないわ。

伊礼ルドルフは、歌唱力は申し分なしだったけど、ちょっと生真面目すぎて、エロスには欠けるかも~~~。
ルドルフにエロ味がないと、「闇広」がいまいち盛り上がらないのよね。(某月組ほど盛り上がっても、それはそれで問題だが)

あと、ヘレネの南海まりちゃん!!
お変わりなく、可愛かった~~~。ホントもったいなかったなぁ。宝塚でもっと観ていたかった。幕間に、星組退団者情報を入手しちゃったので、よけいそう思いながら、観てました。

そして、噂の「新春滝沢革命」のポスターを確認しましたよ。
ちゃんと、山科愛ちゃんの笑顔が映っていた!!!
がんばってね~~~~!
行ってきました、新宿コマ劇場ファイナル公演!!

えー、非常にいい作品でした。
ボロ泣きしてしまった。
これはできれば、宝塚ファンではない方にも是非見ていただきたいです。

私が観たのは、リカ・かしげ・みどり・るいるいのヴァージョン。
できれば、他のWキャストも観てみたいんですが、どうもお金と時間が許さないようで・・・DVD買ってしまおうかなぁ~~~~。

それにしても、ベルリン公演くらいしか接点がなかったリカ・かしげが意外に違和感がないこと、リカ・みどりもかなりいいコンビっぷりなこと、・・・ちょっと現役時代を思い出して切なくなりました。
あぁ、こういう組み合わせもアリありだったかもしれない。
イヤ、現実問題としてあり得ないのは分かっていますけどね。


ドラキュラ

2008年6月21日 OG出演
面白かった!!

いやいや、かなりチケットが余(ry・・・と聞いて、危惧していたのですが、これは一見の価値ありますよ。(といっても明日千秋楽だが)
・・・ここまで書いて、若干不安になる。
先週まで観ていたものがあまりにもピー・・・だったから、底上げ評価になっている可能性もあることに気付いた。
でも、同行者(某ベル○らは観ていない)も面白いと言ってくれたし!

しかし。そんな同行者とわたしは「ドラキュラ」といえば、数年前にすっかりStudio Lifeに洗脳され、「ホントの話ってどういうんだっけ?」状態(笑)。
何しろ、アレはそもそもの脚本が、ドラキュラがジョナサン(本来はヒロインの婚約者でドラキュラの恋敵)ラヴ、という腐った状態だったのに加え、ノリのよい?出演者の皆様の熱演により、何故かアーサー(ドラキュラの犠牲者・ルーシーの婚約者)がヒロインになっちゃったり、ミーナ(本来はドラキュラに惚れられるヒロイン)が最も漢らしくなったり、というトンデモ芝居だったからなぁ。

さて、幕が開き、一幕はまぁまぁ、普通の展開でした。これでもか!!というような正調・宝塚演出だったけどね。
しかし、とあるキャラクターの登場が、全ての世界観を変えた・・・。
いいんですか、アレ?面白すぐるんですけど?
そして二幕、妙〜に展開が遅いと思ったら、ええ???意外なオチでした。そんなんありか?
・・・これでは、一番コケにされているのは、ジョナサン?

というわけで、キャスト別感想行きます。

松平 健:ドラキュラ伯爵 (吸血鬼)
といっても、元は人間で、妻を失って狂乱した結果、悪魔のワナにハマって、吸血鬼になってしまったという設定。
なんというか、非常に愛すべきキャラでした。
血を飲まないと生きていけないけど、吸血鬼になったことを(400年経っているのに)受け入れられず、超イヤイヤ飲んでいるのとかがカワユス。(そのため、血は手下?の三人娘が集めてくるらしい)
愛する妻の生まれ変わりに会えて、舞い上がってしまい、フライング!!という演出にはビックリしました。
・・・お歌は、まぁ、そのぅ、暴れん坊将軍ですたが。

鈴木綜馬:ヴァン・ヘルシング(アムステルダム大学名誉教授)
この芝居は、ドラキュラ退治の英雄ともてはやされた彼が、自分に残された時間が少ないことを悟って、孫娘と共に、ドラキュラの墓参りに行き、そこで真実を打ち明ける・・・という作りになっていました。
よくある回想パターンの芝居なんですが、あまりイミはなかったような???
ま、それはともかく、容赦なしに歌が上手い!!
すんごく楽しそう〜に、アクセル全開で、歌っていらっさいました。

剱持たまき:ミーナ・マリー(ハーカーの婚約者)
今回は、正しくヒロイン。
しかし、ドラキュラLOVEになるあまり、ジョナサンとは喧嘩別れ状態でラストに突入してしまったのは・・・いいのか?

真織由季:ヴァンパイヤー・ゼルマ(ドラキュラ伯爵の手先)
初風 緑:ヴァンパイヤー・ナディア(ドラキュラ伯爵の手先)
初嶺麿代:ヴァンパイヤー・ローラ(ドラキュラ伯爵の手先)
見事に全員元ジェンヌ(男役)。常にセンターが、ミナコちゃん(真織)だったのは学年順なのか?
普通この役は、ホラーモードを盛り上げる役割のハズですが、今回は、きっちり話に絡んできます。ビックリしたなぁ、もう。(しかもかなりわざとらしい演出だったぞ、藤井くん!)

藤本隆宏:アーサー・ホルムウッド(ルーシーの婚約者)
相変わらず、ガタイが良い。
今回の脚本では、瀕死のルーシーを救おうと、ヘルシングらが施した吸血鬼避けの仕掛けを、知らずに取っ払ってしまって、かえってルーシーを死に至らしめてしまうくだりがなく、観ていてイライラ感はなかったが、アーサーとしての見所は減ってしまって、印象が薄かったかも。

園岡新太郎:メフィスト(悪魔)
これが、問題の珍キャラクター。
ドラキュラが、妻を失った悲嘆のあまり、うかつにも呼び出してしまった悪魔。(そもそもドラキュラの祖父にとある書物に封じられていたらしい)
白塗りに緑色の隈取、4人のダンサーズを従え、説明台詞を朗々と歌う楽しい悪魔くん。
彼が登場した途端に、世界はゴシックホラーからファンタジーに。
なまじ上手いだけに、どう反応していいか、困ります。(ご本人はとっても楽しそうに演じていらっさいます)

安崎 求:ジャック・セワード(ルーシーの叔父で精神科医)
えええ???これまた新設定。
つか、セワードって、アーサーやジョナサンと同世代の友人ではなかったのか?ま、いいけど。

光枝明彦:執事バベル(ドラキュラ伯爵に忠実に仕えている幽霊)
まさに「男ばあや」(@カルバニア物語)、サイコーでした!!
この作品の助演男優賞は、間違いなくアナタです。

大澄賢也:ジョナサン・ハーカー(弁理士)
ドラキュラの城で襲われた際、何故にパンツ1枚に???
彼のセミヌードには、顧客ニーズがあるのでしょうか?
普通、ドラキュラに襲われたショックでおかしくなるんだと思うが、あれでは、三人娘(というか元男役)にヤラれておかしくなったとしか思えない。。。

紫吹 淳:ルーシー・ウェステンラ(ミーナの幼友達)
宝塚時代から人外の魔物をやらせれば定評のある方ですが、襲われる前のワガママお嬢さんの方が長く、魔物シーンは少なくてちょっとガッカリ。
今回は、ドラキュラは自分では獲物を襲わない設定なので、三人娘に襲われましたが・・・全員元ジェンヌなので、なんか不思議なカンジだったな。
相変わらずダンスはすごい。あのえびぞりは、なかなか出来ないわ〜〜〜。
カーテンコールが、ミーナの後だったのにビックリ。まぁ、そういうことなんでしょうけど。

誰かいないと思ったら、レンフィールド(セワードの病院にいる精神病患者、ドラキュラに感応?して妄言を吐いたり、虫やこうもりを食べるなど、奇行に走る男)だ!!
ま、これ以上、変なキャラ出したら、収集つかなくなるもんな。

演出は、宝塚の藤井大介。
最初のパーティでルーシーが求婚者を振りまくるくだりをダンスナンバーでさっくり処理したあたりはGJ。
こうして外部で見ると、いかにもな宝塚演出をする人だったのね。
元四季・元ジェンヌをうまく使いこなしていたと思います。
また外部でも見てみたいな。

しかし、誰かわたしにフツーの「ドラキュラ」を見せてください。(でもつまんないんだろうな、フツーのは)
珍しく、続きです。
キャスト編といっても、どっちかというと脚本の文句で、演者に対する批判では・・・ないつもり・・・。

○ルドルフ:井上芳雄
この人、ホントに品が良い顔立ちだよね。正に、プリンス役者ですなぁ。
歌い方が、今回もいかにもヨチオ節でした。上手いんだけど、合わない人は合わないかな。
アタリマエだけど、東宝「エリザ」初演時より老けて(まだまだ若いけど)、「30過ぎた皇太子」という史実に近づいたぶん、深みは増したと思います。

○マリー:笹本玲奈
かわうい。でもゲルマン女性には見えない・・・。
途中から、どうにもエリス@舞姫が思い浮かんで困った。
つか、エリスは全然豊太郎を理解していませんが・・・マリーも根本的には理解してないよね。あれだけ危険だ危険だ言われてても、意味わかってなさそうじゃん。雰囲気でルドルフの背中押して、突き落としちゃった感がある。ま、それでいいのかもしれないですが。
もっと玉の輿狙いの野心家の面が強く描かれるのかと思っていたら、アッサリ真実の愛に目覚めちゃったのにはちと拍子抜けした。

○ステファニー:知念里奈
いやはや、キッツイ、キッツイ。こりゃ、たいていの男はイヤになるだろ、と思わせる「正妻」タイプ。それで、マリーとルドルフの純愛感を出すんだろうケド・・・でも割り喰った役だよねぇ。
ドイツ大使館の舞踏会で、二人を見つけて駆け寄るところは、「早く、ジャン(@うたかたの恋)出てきて、彼女と踊ってくれよ」と思ってしまった(爆)。

○ラリッシュ:香寿たつき
相変わらずスバラシイ歌唱力。「美しき戦争」は楽しかったです。
しかしこの人と畠中さんを見ると、どうも「天翔ける風に」を思い出して困る。

○ヨハン・ファイファー:浦井健治
狂言回しな手品師。全然回してないけど。
突然、皇帝の執務室の机上に登場するところなんか、アンタはトートですか?
水トート?ってな緑の鬘に白塗りメイク(ピエロっぽいカンジ)で、せっかくのお顔が拝めず、勿体無い。
このキャラがいるため、より「エリザ」に近くなってしまい、二番煎じ感というか、ルドルフ場面を詳しく説明してみますた!的に感じてしまうのではなかろうか?

○エドワード皇太子:新納慎也
出番が少なく気の毒だった・・・そしてキャラはフィラント@君愛だった。
♪なやむことはなっにっもっない〜〜〜〜〜〜〜〜♪
インパクトはあったが。

○フランツ・ヨーゼフ皇帝:壤晴彦
えーと、アナタに「妻に気を遣え」って言われてもねぇ(苦笑)。「わたしのようにならないように」っていう意味ならまだしも、あんな上から目線で「世継ぎは作れ」って、ハッ!自分はお前(ルドルフ)を作ったから、オッケーなのか?
しかも、史実のルドルフの教育係は(エリザベートの意向で)自由主義者たちで固められていたので、そりゃ保守的になるわけがない。そんなルドルフの思想を排斥するのは、要は「育て方を間違えた」ってことですよね。妻に譲歩しすぎてしまったともいうが。つまりは、自業自得じゃんか。
というわけで、「エリザ」のフランツは同情できるキャラでしたが、このフランツはひたすらやなジジィで、そこが共感できませんでした。
あとメイク、ちょっと老けすぎではないでしょうか?マイヤリンク時点で、フランツはまだ50代後半ですよ。

○ツェップス:畠中洋
ツェップスってユダヤ人だったのか!!初めて知った。それで結構ナットクがいったわ。なるほどね。
これまた「エリザ」と同じく、ハンガリー独立をもくろむ勢力と共に皇太子に接近します。・・・もう少し違う演出を考えようよ。
(しかし、今気付いたが、エルマーたちがハンガリー革命にルドルフを誘うくだりは、日本オリジナルなので、この脚本家は知らなかった可能性が高いな。やはり宮本亜門演出で、頑張っていただきたかった)

○ターフェ首相:岡幸二郎
何故彼がルドルフをハメる必要があったのかが、わからない。(アレ、ハメたんですよね?)
だって、ルドルフはパパに全然相手にされてなかったわけだし、アナタの地位は安泰のハズ。
というわけで、「うたかたの恋」の敵役(フリードリヒ公爵)ほどインパクトがなかったなぁ。
なので、そこまで手管を弄せず、単に国のことを考えて、皇太子の活動を危険とみなして排除にかかった、とすればいいんじゃないでしょうか?
悪役にしないで、それぞれ考え方が違っただけで、ハプスブルグのことを思っていたのは同じだった・・・というオチにしたほうが良いと思うんだけどな〜。
しかし、さすが岡さん、「命令次第」のナンバーは圧巻でした。一番印象に残ってます。(首吊り人形もね)

○皇妃エリザベート:栗山絵美
シシィがアンサンブルかよっ(笑)。侍女二人を従えて、黒い服にパラソルさして、
下手前面から上手奥へ早足に消えていくだけ。かなりウケた。
えーと・・・、大傑作ではない。が、しかし駄作っつーわけでもない。
少なくとも、初見で涙は出なかったです。泣かせりゃ、傑作というわけではないのは、百も承知ですが。(例)谷正純作品

難しいな、コレ。観る人の観劇歴によっても、かなり捉え方が変わると思うのですよ。
ちなみに、ワタシは、
1)宝塚「うたかたの恋」再演星組
2)宝塚「エリザベート」全組
3)ウィーン「エリザベート」97年
4)ウィーン「エリザベート」来日版
5)東宝「エリザベート」おおむね
6)東宝「ジキルとハイド」再演
7)宝塚「Never say Good-By」
を観劇している人間です。映画「うたかたの恋」は未見です。
ほんでもって、ウィーンに行ったとき、マイヤリンクまで足をのばして、あの礼拝堂やマリーの墓を見ております。皇帝夫婦と共に葬られているルドルフの墓にも行きました。

という前提で、以下、個別感想イキマース。

○音楽:フランク・ワイルドホーン
良くも悪くもアメリカ人だよね。ウィーンを表現するのに、やはりクンツェ&リーヴァイには及ばない。
「ジキハイ」とはあまり似ている曲がなかったが、「ネバセイ」とは結構印象が近かった。「スカピン」が不安になってきたぞ。
そうそう、「スカピン」稽古のために来日したんじゃなくて、「ルドルフ」の初日のために来日して、ついでに宝塚に寄ったんだよね(笑)。

○脚本・歌詞:ジャック・マーフィ
「エリザ」とも「うたかた」とも違うと聞いていたので、てっきり心中説じゃなくて暗殺説なのかと思っていましたよ!!
しかも、かなり「エリザ」や「うたかた」とかぶる場面が多く、「別に違わないやんけ」(何故か関西弁)気分。
これは、東宝の責任かもしれないが、チラシコピーの「僕たちの最後のキスがこの帝国を滅亡に導く・・・」というのは、言いすぎなんじゃないでしょうか?

○演出:宮本亜門
ゴラーッ!!端席を無視した装置というか演出方法は、ナニゴト?
1階前方端席だと、全然見えないモノが数多くあります。それで12000円取るのはヒドスギ。ちなみに花道は使用されません。
いくつかある「エリザ」とかぶるシーンで、同じような演出になってしまっているのは残念至極。

○翻訳・訳詩:竜真知子、翻訳:小嶋麻倫子
あのぅ、どちらのお仕事か存じませんが、やはりイマドキ「メロメロ」とか「アツアツ」って歌詞は・・・古すぎる!!
あと指輪の文言ですが、「死が二人を分かつまで」なんですね?ってことは、死んだら別れちゃうんですよね?宝塚「うたかた」だと、「死の後までも、愛に依りて結ばれん」だったと思うんですけど、こっちが間違いなの?でも「死んだら引き離される」ってのが前提だと、心中するメリットが全くない気がするんですが。(実際、二人の墓は別々だし)
どっちが正しいの〜〜〜?

○衣装:有村淳
すっかり東宝でもおなじみになりましたが、パンフのプロフィールを見て驚いた。フィギュアの高橋選手の衣装も、有村先生だったんですか〜?いや、宝塚っぽいなとは思っていたんだけど。
今回も、相当宝塚っぽいですが・・・リアル日本男子もあの衣装をそこそこ着こなせるようになったのを見ると、隔世の感がありますなぁ。(10年以上前までは悲惨だったのよ・・・)
えー、わたしにとって退団後初!のコムちゃんを観て来ました。
なんか昨年はご縁がなかったんですよ。なので、「堕天使」以来1年以上ぶりにお姿拝見したんですが・・・全く変わっていませんでしたね。

と書いておいて、思い出した。
「ダンシング・クレイジー」観ているじゃん>自分

要は、OGコムちゃんの出演する「芝居」を観てなかったってことです。

感想書きたいんだけど、まだ初日始まったばっかりで、コメディだから、あまりネタばれしても・・・と思ったのですが、感想探している(らしい)検索がかなり来るので、書いてしまいます。
これから観る予定のあるかた、ネタばれイヤな方、以下には目をつぶってください。

(このブログ、記事を畳めないんだよね〜〜〜)

<キャスト>
レオニード(スパルタの王女)=朝海ひかる
えーと、私の理解力がイマイチなのかもしれませんが、王女、王女と連呼されてますよね?でも、政権もお持ちのようですね?それって「女王」なんじゃないんですか?
ついつい、「陛下」と呼ばれるのを嫌って、王になっても「殿下」と呼ばせていたどこぞの常春の国の王を思い出してしまいました。
それはともかく、この役って難しい・・・。
恋する乙女で、好きな人ゲットの為ならなりふり構わず、全然好きでもなんでもない人にいけしゃあしゃあと色目を使って、それが全然イヤミじゃなく天然ちゃんで可愛く見えるって・・・普通の女優には不可能です。
それがクリア出来ているコムちゃん、恐るべし、なんですが。
だがだがだが、歌唱力も恐るべしでした。。。
・・・「エリザベート」が恐ろしい。ボイトレ、頑張ってください。
当然のことながら、宝塚時代より薄いお化粧でしたが、今回衣装も衣装なんだし、もっとバッチメイクの方が良いような〜〜〜。

アージス王子(エルモクラテスとヘジオニーが育てたスパルタの正統な王子)=武田真治
一足早く、トート&シシィのカップリングを拝めたわけですが・・・あの・・・歌・・・がんば・・・って・・・(声が小さくなる)。

コリーヌ(王女の侍女)=瀬戸カトリーヌ
ものすごいコメディエンヌっぷりでした。スバラシイ!!

アルルカン(エルモクラテスの従者)=tekkan
今回の出演者で唯一知らない方でした。・・・と思って、プロフィール調べたら、あ!!あの伝説の××芝居「Pure Love」に出ていたんですね!!そっか、それでイケコつながりなのか。
あ、レミゼのクールフェラックもやっていらしたのね。スパロボ大戦2の主題歌も歌っていらっしゃるの?・・・なんか微妙に接点あるわ・・・。
イヤ、あの、脇でガッツリ歌を支えていただき、ありがとうございました。

ディマース(エルモクラテスの庭師)=右近健一
いつ「ザンス」を連発しだすか、気が気じゃありませんでした(笑)。
身体をくねらせる度に、ドキドキしちゃったよ。
こちらも、歌唱サポートありがとうございました。

エルモクラテス(ヘジオニーの兄、哲学者)=藤木孝
怪演!!スバラシス!!
あの白塗りは夢に出てきそうです・・・。

ヘジオニー(アージスの伯母、哲学者)=杜けあき
こちらもお久しぶりに拝見いたしました。
相変わらずお若い。
確か前回観たのは、マツケン主演の新宿コマ劇場かなんかで、主役を食いまくって、エライことになっていたのですが、さすがに今回はそこまでではありませんでした。
でも、あのヘタレくんのアージス王子に武器の手ほどきをしたのは、伯母さまですよね?伯父さまにはできませんよね???

IZO

2008年1月15日 OG出演
所要時間は、3時間20分(休憩25分)でございます。

幕末の人斬りとして恐れられた?岡田以蔵の物語。
最後はすすり泣く人多し、でございましたが、わたしは・・・。
すまんのぅ、「エル・アルコン」では泣けたんじゃが(初回ね)。

でも、泣きはしなかったんだけど、不思議な衝動に突き動かされて、ウチ帰ってから、ネットでいろいろ人物やら時代背景やらを検索してみちゃいました。
幕末って、本当に数ヶ月単位で時代の趨勢が動いていったまさに激動の時期だったんですね。

今回、いつもと少し雰囲気が違うと思ったら、脚本が新感線初参加の青木豪さん。
初めて観ましたが、非常にしっかりした脚本で、素晴らしかったです。
いや、いつもトホホな脚本ばかり観ているから(しーっ)。

森田くんは、「荒神」で新感線初出演。その時も思いましたが、こう言ってはナンですが、アタマ悪そうな役、めちゃくちゃ似合うな!!(褒めてます)
それ故に、以蔵の悲哀が身にしみました。彼にとっては、武市に出会わずに、龍馬と行動していたほうが、良かったのではないでしょうか・・・。日本の歴史が若干変わった可能性もありますが。

戸田恵梨香ちゃん、かわいい〜〜〜。
どう見てもダメダメな以蔵に、ベタ惚れしているのがよくわかり、ラストシーンは、オチが判ってしまった瞬間から、いつ来るか、いつ来るか、ドキドキしてしまいました。・・・アレ、かなりひっぱりましたよね。

武市半平太の田辺誠一さん。長身でおステキ。そういえば、「荒神」でも敵役やってましたね。半平太は敵役じゃないんだけど、以蔵のおばかさ加減にウンザリしてくると、悪役っぽくなっていく〜〜。

すごい感心したのが、坂本龍馬の池田鉄洋さん。写真の龍馬そっくりなんですけど〜〜〜。よくあそこまで似せたなぁ。

粟根さんが勝海舟なのに、ビックリした。すいません。
逆木さん・右近さんはいつものカンジで、まんま〜。
さとみちゃん・エマちゃんも、あてがき〜。

その他宝塚OGで、愛田芽久ちゃんご出演。そういや「朧・・・」にも出てましたもんね。
新感線は、踊って歌って体力使ってナンボの芝居なので、OGのスキルは活かせますよね〜。もっと出てほしいな。